大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36年(オ)73号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔要旨〕賃貸借家屋明渡を求める調停の申立がなされたときは、特別の事情の認められない限り、これによつて家屋賃貸借の解約の申入れの意思表示がなされたものと解するのを相当とする。

〔説明〕昭和三二年(オ)第九九五号、同三六年一一月七日第三小法廷判決、民集一五巻一〇号二四二五頁の先例のあとを受けて、本件において第一小法廷もこれを踏襲したものである。しかし調停関係法規を調べてみるに、調停の申立があつても、申立書の副本等が相手方に送達される等の規定はなく、調停委員会の呼出を受けた当事者は出頭義務を負うに止まる(民事調停規則八条参照)。従つて調停の申立を受けた者は法律上当然その申立の内容を知り得べきものではないし、殊に義務違反にもせよ出頭しなかつた被申立人はその内容が如何なる事由のものか知るすべがないのである。その意味で調停の申立に賃貸借解約の申入れの効力を認めることには疑問なきを得ない。尤も、右判示には「特別の事情の認められない限り」という枠がついてはいる。けれどもさきの第三小法廷の判決でも、この第一小法廷判決でも、何をもつて特別の事情であると見ているのか必ずしも明らかではないのである。

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